


エミール=アントワーヌ・ブールデル
《ロダンの肖像》

アルベール=エルネスト・カリエ=ベルーズ
《ニンフを連れ去るサテュロス》
ロダンは近代彫刻の先駆者、傑出した個性と才能の持ち主、あるいはブランクーシなど、20世紀彫刻に大きな影響を与えた彫刻家として知られている。しかし、同時代の彫刻家の活動やロダンとの芸術的な交流などに目を向けることで、必ずしもロダンが時代とは無縁ではなかったことに気づく。
若きロダンの師・カリエ=ベルーズは、ブリュッセルを中心に活動し、ロダンをはじめとする多くの若手彫刻家を登用して、公共彫刻の制作にあたった。ロダンが彼から受けた影響は、彫刻の制作だけではなく、その作品の売買に関わる事にいたるまで、芸術家としての姿勢に他ならなかった。

エミール=アントワーヌ・ブールデル
《アポロンの首》

カミーユ・クローデル
《波》
また、ブールデルは、1893年以来、ロダンのアトリエに勤めたが、ロダン彫刻に建築的な構築性が欠けていることに不満を持ち、そのもとを離れた。当館が所蔵する《アポロンの首》など、ブールデルは、面と量との構築性を追及し続けていくことで、ロダンの作風から脱却していく。
カミーユ・クローデルは、ロダンの恋人で、彫刻家である。優れた才能の持ち主だったが、ロダンとの関係の上で、その作風が似ているとの指摘を受けた。《波》は、葛飾北斎の《富嶽三十六景・神奈川沖浪裏》を想起させるが、波は3人の女性たちを優しく包み込み、また彼女たちは波に身をゆだねているかのようにも見える。ここに、カミーユがロダンに寄せた心情を重ねることができるだろう。
ロダンを取り巻く多くの人々、彼らとのドラマティックな関係があったからこそ、ロダンは芸術的なインスピレーションを得ることができたのではないだろうか