教育普及・講座美術館教室

出張美術講座〜授業プログラム活用編

当館では、小・中学校、高等学校への出張美術講座(図工や美術の授業をお手伝いさせていただきます)を随時実施しています。現在、工事による長期休館に伴い、出張美術講座の重点期間として、内容も日程もご要望どおりに開催するよう計画・実施しています。収蔵品レプリカと教材キットを開発して、授業展開のしやすい教材力とレンタル可能な機動力をアップ!想像力を働かせて、鑑賞の姿勢を養い、見ることや発見することの楽しさを実感し、ジャンルや知識に偏らない鑑賞の応用力を身に付けてもらいたいと思います。もちろん、楽しい授業のあとは、ぜひ、静岡県立美術館に本物を見に来てくださいね。

(1)11月17日(火)藤枝市立藤枝中学校にて
藤枝市内の中学校美術の先生方の研修会に講師として参加させていただきました。洋画のレプリカ2点を持参し、「作品を見て、発見したものやその様子を付箋紙に書いて貼っていきましょう」という合図で一斉に作品に顔を近づけた先生方は、細密な表現や意外な発見に感嘆の声をあげていました。学芸員による作品の解説を聞き、「最初に作品を見て発見をしたことが、後の解説を深く印象付けるのに役立つ」、「鑑賞指導の幅が広がった」などの感想をいただきました。

(2) 11月27日(金)浜松市立西都台小学校にて
6年生を対象とした「日本画鑑賞」の授業は、当館から日本画担当学芸員と普及担当の2名、掛川市二の丸美術館学芸員1名の計3名(他館との教育普及連携事業)で行いました。屏風レプリカと掛軸レプリカ、屏風絵印刷用紙を持参し、鑑賞とともに掛軸の掛け下ろし体験も行い、好評でした。日本の建築物の空間が数百年の間にかなり変化していること、かといって四季や吉祥に対する思いは変わらず心の中にあること、などを感じていただければありがたいと思いました。

(3) 12月7日(水)静岡県立佐久間高等学校にて
1年生「美術I」選択生徒13名を対象に、日本画の授業を行いました。先生のご要望で、すべてのレプリカを持参し、まず昼休みの時間を利用してレプリカによる「展覧会ギャラリートーク」を行いました。そこでは「美術I」を履修していない生徒や他教科の先生も観覧にきてくれて、日本画や一つひとつの作品について歓談しながら鑑賞してもらいました。ぎりぎりまで鑑賞していた生徒もいましたが、引き続き美術講座に突入。全員に掛軸の掛け外しの体験をしてもらったあと、グループで鑑賞しました。付箋をわけ、気付いたことを書いた後、グループで一枚のボードに貼り出し、感想や発見したことを共有しました。それをもとに、フロアレクチャー風に作品を解説してもらう原稿作りを行いました。二時間連続で行った美術講座の仕上げとして、グループで作成した原稿を頼りに発表。なかなか新鮮で興味深い発想と着眼点に驚かされました。本当は最後に作品について解説をする予定でしたが、生徒の積極的な講座参加により時間がなくなってしまいました。次週に先生が作品解説の補足をしてくれたようで、一安心でした。

(4) 1月7日(木)三島市立北中学校にて
佐野美術館で開催(平成22年1月5日〜2月14日)される当館収蔵品展『物語絵の世界』展の内容を踏まえ、佐野美術館学芸員2名とのコラボレーションで屏風についての美術講座を行いました。昼休みの時間を利用して、同校武道場でレプリカ展示によるギャラリートークを行い、その後で200名以上の生徒を集めて体育館で講座を行いました。一斉に見てもらうには屏風レプリカだけでは役不足ということで、スクリーンに作品部分を投影しながら解説を行いました。生徒らは先生が作成したワークシートにメモをとりながら話に耳を傾けてくれました。会場前方に配した《曽我物語》屏風レプリカは、暗くした体育館で自然な陰影を見せ、屏風本来の使用環境や目的などの解説に一役かっていました。
実はまったく同様の出張美術講座を、三島市内の他二校(1/14 中郷西中学校、 1/15南中学校)でも実施しました。この三校の美術教諭のみなさまとは佐野美術館会議室で綿密な事前打ち合わせを行っていました。役割分担や中心となる作品決めだけでなく、美術講座後に行う<生徒によるミニチュア屏風作成>の授業につながるような講座内容などのご提案をいただき、学校と美術館二館が連携して講座を作り上げた稀な美術講座でもありました。

平成22年3月まで、出張美術講座は20校以上の学校で実施する予定です。