コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

見逃してはならない マクロ(孔雀)からミクロ(蟻)まで。

長沢蘆雪 《牡丹孔雀図》

1793-99(寛政5-11)
絹本着色
185.0×97.0cm

孔雀の羽根のかすれた墨線、意識的に変形させた玉模様、水墨のにじみが生々しい岩など、蘆雪ならではの形態感覚、運動感覚が随所にみられる。空中に紋白蝶、目をこらせば、牡丹の花弁や地面に、米粒大で蟻や蜘蛛まで描きこんでいる。すみずみまで見逃したくない。

長沢蘆雪(1754〜1799) 円山応挙門下の鬼才。穏やかな師風とは異なる強烈な個性で注目される。

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