コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

明快な画面に満ちる溌溂とした初夏の気配

横山大観 《群青富士》

1917-18(大正6-7)頃
絹本着色、六曲一双屏風
各176.0×384.0cm
文献:14,61

左右隻で共鳴する緑青と群青。湧き立つ白雲を透かして輝く重厚な金地。富士の群青と残雪の白の力 強い対比。鮮烈な色彩と簡潔な構図が実に心地よく、大正期らしい自由でおおらかな造形感覚が顕著にあらわれた作。色彩や形態感覚には琳派の研究が生かされている。

横山大観(1868〜1958) 院展の中心画家として日本画近代化の課題に取り組む。明治・大正・昭和と3代にわたる画界の重鎮。

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