作品の収集方針と特色

作品の収集方針と特色

当館コレクションには、以下のような収集の方針と特色がありますが、収集はまだ途上、今後も充実につとめてまいります。

収集点数一覧(PDF:1.4MB)

17世紀以降の東西の山水・風景画

画像:池大雅 ≪蘭亭曲水・龍山勝会図≫
池大雅 ≪蘭亭曲水・龍山勝会図≫

遠州から駿河湾さらに伊豆半島にいたる長い海岸線、自然の良港、数々の川や山が織り成す起伏にとんだ地勢をもち、我が国を代表する富士山や浜名湖をはじめ数多くの景勝地にめぐまれた静岡県。この特性をもとに設定された収集テーマです。時代については、西洋の風景画の成立が17世紀とされることから、日本美術もそれに合わせ設定されています。
西洋絵画ではロイスダール、ターナー、モネ、ゴーギャン、シニャック、日本画では狩野探幽、池大雅、司馬江漢、谷文晁、歌川広重、横山大観、日本洋画では五姓田義松、佐伯祐三、小絲源太郎、岡鹿之助など、それぞれの時代を担った画家たちが描いた山水、風景画の代表作が収蔵されています。また、伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》のような動物たちのいる風景を描いたユニークな作品も収蔵し、多くの人々の人気をあつめています。
美術作品には自然観の変遷が如実にしめされています。その歴史を振り返ることは、自然と人間の係わり、環境問題といった今日的な問題を考えることにもつながってくるでしょう。そうした活きたコレクション作りに今後もつとめてまいります。

県ゆかりの作家、作品

出身あるいは長期滞在など静岡県にゆかりが深い優れた作家の作品、静岡県ゆかりの作品を収集しています。
日本画家の中村岳陵(下田出身)、秋野不矩(天竜出身)、洋画家の川村清雄(幕臣として静岡移住)、北川民次(金谷出身)、和田英作(清水滞在)、曽宮一念(富士宮滞在)、皮革工芸の大久保婦久子(下田出身)などの代表作、重要作品群が収蔵されています。
また、伊豆湯ヶ島にルーツがあり江戸時代には天領・駿府との関わりの深かった狩野派に注目、室町から明治初期までの狩野派の優品30余点が収蔵されています。さらに江戸後期の遠州地方では渡辺崋山の門人たちが活躍したことから、福田半香、平井顕斎ら南画家の代表作群も収蔵されています。なお、重要文化財の正倉院文書および後嵯峨上皇和歌巻、藤原定家の明月記など古代・中世の書、本居宣長、賀茂真淵など江戸時代の国学者の書など347件によって構成される小杉文庫は、森町の藤江家に伝来し同家から譲り受けた当館最初期の収集品です。

画像:石川欽一郎 ≪駿河湾≫
石川欽一郎 ≪駿河湾≫

現代の美術

今日に息づく美術館として、美術の現況をしめすコレクションの形成にも努めています。
海外作家では、モーリス・ルイス、ジョアン・ミッチェル、アンゼルム・キーファー、イサム・ノグチ、ドナルド・ジャッド、国内作家では、山口長男、斎藤義重、草間彌生、桑山忠明、高松次郎など、現代の優れた作家の作品が収蔵されています。

ロダンと近代の彫刻

当館では、1988年にエントランスホール設置作品としてロダン《カレーの市民》6体を購入、また1991年には《考える人》の寄贈を受け、それらをもとにした展示や普及活動に力を注いだことから、パリの国立ロダン美術館との交流が始まりました。その流れの中で、1994年、ロダンを柱としたロダン館を新設。当館コレクションに比較的少なかった人間像の表現、それをすぐれた彫刻の数々によってみることができるようになりました。
ロダン館では《地獄の門》・《考える人》はじめロダンの彫刻32点と、ロダンの師カリエ=ベルーズやカルポーなどロダン以前の彫刻家の作品6点を常設、ロダン館へのアプローチ、ブリッジギャラリーには、マイヨール、ブールデル、ブランクーシなどロダン以降の彫刻家の作品を展示公開。ロダンを中心に近代彫刻史の展開を概観できるコレクションです。

画像:オーギュスト=ロダン ≪考える人≫
オーギュスト=ロダン ≪考える人≫

富士山の絵画

静岡県の風景といえば、やはり富士山がその筆頭に挙げられるでしょう。我が国の最高峰、富士山は古来より信仰の対象とされ、はやくも平安時代には絵画の作例が見出せます。長い歴史を持つ富士山の絵画は、富士信仰の中で生まれた《富士参詣曼荼羅図》や『伊勢物語』などの物語の絵画化をはじめ、実に多彩なバリエーションをもちます。日本画では、式部輝忠、狩野探幽、谷文晁、歌川広重、横山大観、東山魁夷などによる個性豊かな富士山の作品を収蔵していますし、日本洋画でも、和田英作、五姓田義松らによる絵画作品があります。

画像:谷文晁 ≪富士山図屏風≫
谷文晁 ≪富士山図屏風≫

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静岡県立美術館 学芸課
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