静岡の調べ
創作版画
故郷の風景に向けた穏やかなまなざし 中川雄太郎 《巴川の夕景》
かつて清水と静岡を結ぶ重要な水路であった巴川の、光りに彩られた穏やかな夕刻の風景を、丸刀の大胆な彫りと、多色刷りによる淡い色調の重なり合いの効果を生かして描いている。
1930年代のスナップショット 中川雄太郎 《静岡駅前》
1930年代初頭の静岡駅前通りの様子を今に伝える一枚。通りの両側には、コンクリートやガラスでできたビルが立ち並ぶ。正面には百貨店であろうか円形のモダンな建物がみえる。都市化が進む故郷の街の日常をスナップショットのように切り取った一枚。
奇岩がそそり立つ断崖絶壁の風景 中川雄太郎 《大崩の不二》
大崩は、用宗から焼津に至る海岸である。奇岩がそそり立つ断崖絶壁に沿って走る海岸線は、古くからの景勝地となっている。この海岸線を挟んで、遠くには富士が頭をのぞかせている。大らかで力強い彫りにより、自然の雄大さをとらえた作品。
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静岡県立美術館 学芸課
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