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カール・アンドレ
Carl ANDRE

1935-

マサチューセッツ州クインシーに生まれる。現在ニューヨーク在住。1950年代よりブランクーシの彫刻に影響を受け、≪ピラミッド≫など木を組み合わせた立体作品を制作する。1958-59年にはフランク・ステラとアトリエを共有し、当時のステラの直線や単色などの最小限に純化された画面構成に影響を受け、作品にとりいれるようになる。1966年にはブロックをつなげて床に1列に置いた≪レヴァー(てこ)≫で注目を集め、以後ブロックのほか金属、石など、素材を加工しないでそのまま床に広げた作品を発表し、彫刻の形態と配置に新しい可能性を開き、後の美術に影響を与える。
展覧会については、1965年にロバートモリス、ドナルド・ジャッド、ラリー・ベルなどとともにニューヨークで作品を展示して以来、「ミニマル・アート」と呼ばれるグループのメンバーの一人として、有力な画廊で作品を次々と発表している。
詩の作品も発表するなど、アンドレは執筆活動にも積極的で、「ミニマル・アート」を含め現代美術に関する自らの考えを表している。作品は「ミニマル・アート」の枠内にとどまらず、素材、あるいは芸術における時間や空間の間題に多くの示唆を与えるものとなり、リチャード・ロングやトニー・クラッグなどの次世代の作家たちにも影響を及ぼしている。


鉛と亜鉛のスクエア

1969年
鉛,亜鉛 0.8×200×200cm
平成6年度購入

アンドレは1967年以降正方形の金属板を規則的に床に並べる作品を制作するようになる。1969年にはニューヨークのグッゲンハイム美術館のロタンダに1260個の正方形の金属板を並ベ、約11m四方の作品を展示した。
本作は1969年にデュッセルドルフのコンラート・フィッシャー画廊で発表されたものであり、床に2種類の異なった金属板を正方形に組み合わせた、この時期の最も特徴的な作品である。この時期の正方形の作品はすべて個々の金属の数とサイズ、金属の種類が異なっており、一つとして同じ組み合わせによるものはない。
これらの金属板を床に並べた作品は、発表当時は見る者が上に乗ることが想定されていた。これは人間が作品の上に乗ることによって起きる物理的な変化さえも含む作品とするというアンドレの考えに基づくものであり、これにより作品には時間の観念が加えられると考えられている。また、美術作品は離れて鑑賞するものであるという従来の美術に対する観念をくつがえし、見る者が参加する美術という視点を提示するものである。(Om)


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