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ラファエル,コラン
Raphaël COLLIN

1850-1916

パリに生まれる。エコール・デ・ボザールでブーグロー、カバネルに学ぶ。1873年のサロンで《眠り》が二等賞となり、画壇にデビュー。始めは手堅いデッサンと明暗法を基調とするアカデミックな作風を示したが、やがてこれに印象派風の明るい外光描写を折衷し、外光下の優雅な婦人像の描写によって社会的な成功を収めた。1886年、サロン出品作《フロレアル》がリュクサンブール美術館に買い上げられ、1889年のパリ万国博覧会、および1894年のアントワープ国際展では大賞を受賞する。1880年代よりアカデミー・コラロッシで教える一方、1902年エコール・デ・ボザール教授に就任。1909年学士院会員に任命された。ブリオンヌにて没。
−−藤雅三、黒田清輝、久米桂一郎、岡田三郎助など、パリでコランに師事した日本人画学生は多く、その作風は明治後半期の日本洋画壇の形成に絶大な影響を及ぼした。福岡市美術館、東京文化財研究所、大嶽電機美術館などに大作が所蔵されている。


想い

想い

1904年(明治37)年
油彩、カンヴァス 59.0×81.2cm
昭和62年度購入

木陰で想いにふける白衣の女を、緑に照りはえる陽光が優しく包む、詩的情緒に富んだ作品である。明るい色彩が切れ味のいい筆致に盛られて爽やかに賑わう点はマネの弟子であったベルト・モリゾの作風を偲ばせる。とりわけ画面にただよう光の描写は印象派的である。もっともここには、印象派の開発した純色の並置や補色対比は見られず、光は印象派のように純粋な視覚体験に徹する手段ではなく、通俗的な夢想を盛りたてる要因に留まっている。それがコランの折衷性であり、同時に大衆的な人気を博した理由であった。(S)                                    


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